候補は3つ。
1.コンセントのアース端子
2.地面に穴を掘り、アース棒を埋める。
3.電柱による接地を利用する。
1.コンセントのアース端子
部屋にはじめから用意されているアース端子を利用する方法。
機器とアース端子をケーブルにて接続する。
利点
・一番簡単。フレーム接地に於いては十分な効果が期待できる。
欠点
・オーディオ機器以外の家電品のアース線と共通のため、シグナルGND接地においては、問題になる場合がある。
・便利な場所にあるとは限らない。全く無い、という場合もある。
2.アース棒を埋める
庭などに穴を掘り、アース棒(銅製等)を埋設し、ケーブルにより屋内に引き込む方法。
電気工事店に依頼するか、自分で埋める。自分で埋めるための資材はホームセンターなどで購入できる(数千円程度)。
利点
・オーディオ専用アースとして使用できるので、フレーム接地だけでなく、シグナルGND接地に於いても理論上は理想的な接地法。
欠点
・室内から屋外への配線となるので、施工が大がかりとなる。
・接地抵抗を低く押さえ、また、安定した状態に保つ必要があり、深い穴を掘ったり、接地抵抗を減らすための機材、薬剤等が必要な場合がある。
・施工には資格が必要。または工事店に依頼する必要がある(費用は数万円程度)。
・集合住宅等で、施工が事実上不可能な場合がある。
3.電柱による接地
家庭用電源の片側は電柱にて接地されている。これを利用して機器の接地を行うのは古くから知られた方法のよう。(註
コンセントのコールド側を検電ドライバーなどで検知し、そこに機器をつなぐ方法と、専用の機械を利用する方法がある。
利点
・電源さえあれば、どんな部屋でも利用できる。
・フレーム接地における、シールド効果が十分に期待できる。
欠点
・漏電による感電の対策にはならない。
・コンセントの極性を間違えると、火事、機器の故障、感電、のおそれがあり危険。
・シグナルGNDの接地に於いては、他の家電製品の電源と共通になり、悪影響が懸念される。
付記・アース取り機
※漏電防止を目的とした商品ではないので注意。
「テスラクランプ」、「アコースティック・リバイブ RE-9」、「ZONE」等、同様の機器がいくつかあるが、、基本的な原理はどれも同一と思われる。
オーディオ用として有名(唯一)なのは「RE-9」だが、現在「テスラクランプ」が、主に安価なことから広く利用されている。
安価なのは、どうも代理店の倒産に伴う大量処分があったようで、製造・販売元では捨て値とも言える価格で乱売されている事にに苦慮している(笑)。
(註 私の父(昭和ヒトケタ生まれ)から、ISDN関係のトラブルに関する相談をされたときに、テスラクランプの話をし、仕組みを説明すると
「あぁ、だったら、そんなモン使わなくても、コンセントの片方にコンデンサーかませて繋いでやればいいんだろ」
と言われて驚きました。
ラジオを作ったりする人はみんな知っていたとか。
想像に過ぎませんが当時ラジオ等の自作はそんなに特殊な趣味ではなく、現在の「パソコン自作」より広く一般的だったのではないかと。
私も子供の頃父に買ってもらったラジオのキットを作ったことがあります(笑)。
付録
テスラクランプの使い方
註)改造は危険です。十分注意して下さい。事故が起きた場合にも私は責任をとれません。
下に書いてあることの意味が分からない方は、絶対に試さないで下さい。
基本
説明書の通りに使う(笑)。
改造
オーディオ用としては、そのままでは使い物にならない(笑)ので、改造してみた。
STEP1
純正電源ケーブルは本体を開けて、ニッパーで切り取る。
両側オスプラグの電源ケーブルを作って、タップ部に差し込み、反対側をコンセントに差す。
註)標準の電源コードは切り取るか、さわれないように絶縁して下さい。付けたまま別の電源線で通電すると、100V給電されますので触ると感電します。
また、オスーオスケーブルをコンセントに差してしまうと、反対側のオスプラグがむき出しの100V電源となりますので、やはり触ると感電します。
STEP2
アース口はバナナプラグまたはY型端子が使えるので、手持ちの線材を加工して使う。
STEP3
適当な線材が決まったら、再び開け、基板からタップ部に行く配線を切り離し、タップ部の部品はとりはずす。
使用する線材は基板から直出し。
その他
足がついていないことが問題になる場合も多いので、置き場所に気を付けるか、ゴム足などを利用して、振動の影響を受けないようにする工夫は、意外に有効のようだ。
こんな使い方も。つーか、こっちが本来の使い方。